棋窓 ヘルプ
このページでは、将棋GUIアプリ「棋窓(きそう)」の使い方を説明します。ページ内検索(Ctrl+F)や左の目次から目的の項目に移動できます。
はじめに
棋窓は、棋譜の閲覧・編集と、思考エンジンによる検討・解析のための将棋GUIアプリです。棋譜ファイルを開いて並べる、気になる局面をエンジンで検討する、一局を丸ごと解析して評価値グラフで振り返る、といった使い方を想定しています。
画面の見かた
画面は大きく4つの領域に分かれています。
- タイトルバー(最上部) — 左から「ファイル」メニュー、モード切替ボタン(4つのモードを参照)、「盤面反転」。中央に開いているファイル名(未保存の変更があると
*が付き、盤面反転中は[反転中]と表示)。右側に「設定」「ヘルプ」「ご意見」。 - 盤面(中央上) — 将棋盤と駒台。
- 機能パネル(盤の下) — モードに応じて内容が変わります。棋譜編集モードでは検討ツール、対局モードでは対局操作、といった具合です。
- サイドバー(右) — 上部のアイコンで「棋譜」タブと「エクスプローラー」タブを切り替えます。棋譜タブには指し手の一覧が並び、下部に「ダイアグラム」(分岐の樹形図)と「グラフ」(評価値グラフ)を折りたたみ式で表示できます。
各領域の境界はドラッグして広さを調整できます。
局面の移動
- サイドバーの指し手一覧をクリック
- → / ↓ で1手進む、← / ↑ で1手戻る
- 盤面の上でマウスホイールを回す(下で進む・上で戻る)
- 評価値グラフの上をクリックして、その手数へジャンプ
4つのモード
タイトルバーの4つのボタンでモードを切り替えます。ボタンにマウスを載せるとモード名が表示されます。
| ボタン | モード | できること |
|---|---|---|
| 棋 | 棋譜編集 | 棋譜の再生・編集・検討。ふだんの基本モード |
| 初 | 初期局面編集 | 開始局面を自由に配置(駒落ち・詰将棋など) |
| 解 | 解析 | 棋譜の本譜手順をまとめて自動解析 |
| 対 | 対局 | 人間・思考エンジンによる対局 |
対局中や解析中に別のモードへ移ろうとすると、中断してよいか確認ダイアログが表示されます。対局や解析が終わると、自動的に棋譜編集モードへ戻ります。
棋譜を開く・保存する
開く
タイトルバーの「ファイル」→「開く」から棋譜ファイルを選びます。一度開いたファイルは「ファイル」→「最近開いた棋譜」からすぐに開き直せます。棋譜エクスプローラーからダブルクリックで開くこともできます。
| 対応形式 | |
|---|---|
| 開く | KIF / KIFU / CSA / JKF / SFEN |
| 保存 | KIF |
保存する
「ファイル」→「保存」(Ctrl+S)で上書き保存、「名前を付けて保存」で新しいファイルとして保存します。保存形式は KIF です。未保存の変更があるとタイトルバーのファイル名に*が付き、新規作成やファイルを開くなどの操作の前に保存するか確認されます。
設定 → 一般 の「自動保存」を有効にすると、ファイルを開いている間は変更が自動的に保存されます。
クリップボードでやり取りする
「ファイル」メニューから、ファイルを介さずに棋譜を受け渡しできます。
- KIFをコピー — 現在の棋譜を KIF 形式でコピー
- 現在局面のSFENをコピー — 表示中の局面を SFEN 形式でコピー
- 貼り付け — クリップボードの棋譜を読み込み(KIF / CSA / JKF / SFEN を自動判別)
棋譜情報
「ファイル」→「棋譜情報」で、対局者名・手合割・対局日時などの情報を編集できます。棋譜に保存された検討・解析結果をまとめて消したいときも、このダイアログから行えます。
棋譜を編集する
棋譜編集モードで盤上の駒を動かすと、指し手が棋譜に追加されます。途中の局面まで戻って別の手を指すと、分岐(変化)として記録されます。
分岐を見る・削除する
- 分岐のある手には、指し手一覧の左端に展開ボタンが付きます。クリック(または行のダブルクリック)で変化の一覧が開き、変化をクリックするとその手順に移動します。
- 指し手を右クリック →「削除」で、その手とそれ以降の変化をまとめて削除できます。
- サイドバー下部の「ダイアグラム」を開くと、分岐の全体を樹形図で確認できます。
コメントを書く
機能パネルの「コメント」ボタンでコメント欄を開き、表示中の局面に対するコメントを入力します。コメントのある手には指し手一覧に小さな墨色の点が付き、マウスを載せると内容をプレビューできます。コメントは棋譜と一緒に保存されます。
初期局面を編集する
タイトルバーの「初」で初期局面編集モードに入ります。すでに指し手が記録されている場合は、指し手を破棄してよいか確認されます。
- 左クリック — 駒の選択・移動
- 右クリック — 駒の回転(成り・向きの変更)
機能パネルでは次の項目を設定できます。
- 手番(先手・後手)
- 玉将を使う側(先手・後手)
- 配置のリセット — 平手・香落ち・角落ち・飛車落ち・二枚落ち・四枚落ち・六枚落ちのほか、「駒なし」「詰将棋」のプリセット
「確定」で編集した局面が開始局面になります。「キャンセル」で編集を取り消して元に戻ります。局面に問題がある間(エラー表示が出ている間)は確定できません。
思考エンジンのセットアップ
棋窓に思考エンジンは同梱されていません。USI 対応の将棋エンジンを入手し、設定 → 思考エンジンで登録すると、検討・解析・対局が使えるようになります。手順は 5〜10 分ほどで完了します。
検討する
表示中の局面をエンジンにリアルタイムで読ませる機能です。棋譜編集モードの機能パネルから使います。
- 機能パネル左上のプルダウンでエンジンプロファイルを選ぶ
- 「検討」を押す
検討中は候補手の一覧(評価値と読み筋)が表示され、局面を移動するとその局面を読み直します。「停止」で終了します。1局面あたりの思考時間(無制限〜5分)と候補手の数(1〜10手)は、検討中にツールバーで変更できます。
盤面には最善手・候補手の矢印が表示されます(設定 → デザイン →「矢印表示」で変更・非表示にできます)。盤の横の勝率バーも設定で表示・非表示を切り替えられます。
検討の結果は局面ごとに棋譜へ保存され、サイドバーの評価値グラフに反映されます。既存の結果を上書きする前に確認したい場合は、設定 → 一般 の「思考結果の上書き前に確認する」を有効にしてください。
解析する
棋譜の本譜手順を最初から最後まで自動で解析し、各局面にエンジンの評価を保存する機能です。
- タイトルバーの「解」を押す
- ダイアログでエンジン・1局面あたりの思考時間(1秒〜5分)・候補手の数(1〜10)・解析範囲(開始手数〜終了手数)を指定する
- 「解析開始」を押す
解析中は進捗と現在の評価値が表示されます。停止ボタンで途中で打ち切れます(それまでの結果は保存されます)。完了すると棋譜編集モードに戻ります。
結果はサイドバー下部の「グラフ」に評価値の推移として表示されます。グラフや指し手一覧で局面を選ぶと、その局面に保存された候補手と読み筋を機能パネルで確認できます。
エンジンと対局する
タイトルバーの「対」で対局設定ダイアログが開きます。設定して「対局開始」を押すと対局が始まります。
- 対局者 — 先手・後手それぞれに「人間」か「エンジン」を選択。エンジン同士の対局も可能です
- 先読み(Ponder) — 相手の手番中もエンジンに思考を続けさせるか
- 開始局面 — 平手初期局面 / 現在の局面 / 駒落ち(香落ち〜十枚落ち)
- 持ち時間 — 先手・後手それぞれの初期持ち時間(無制限〜1時間)と、時間ルール(切れ負け / 秒読み / フィッシャー)
- 持将棋ルール — 24点法 / 27点法 / その他
対局中は機能パネルから次の操作ができます。
- 待った — 直前の自分の手まで(2手)戻す
- 投了 / 中断 — 確認のうえ対局を終える
- 入玉宣言 — 入玉宣言法による勝ち宣言。マウスを載せると宣言条件の充足状況を確認できます
- 評価値の表示切替 — 目のアイコンで、エンジンの評価値・読み筋の表示を隠せます(結果を見ずに対局したいとき)
終局すると結果ダイアログが表示され、棋譜編集モードに戻ります。対局の内容はそのまま棋譜として残るので、続けて検討・解析や保存ができます。
棋譜エクスプローラー
サイドバー上部のフォルダアイコンでエクスプローラータブに切り替え、棋譜を保存しているフォルダ(ワーキングフォルダ)を開くと、中のファイルをツリー表示できます。
- 棋譜ファイルをダブルクリックで開く
- 右クリックメニューから、新規フォルダ・新規棋譜の作成、コピー・切り取り・貼り付け、名前変更、削除
- 並び替え(名前順・日付順)と、ツリーの再読み込み
- Ctrl+クリックで個別に、Shift+クリックで範囲を複数選択
表示するファイルの種類(棋譜ファイルのみ / すべて)は、設定 → 一般 で変更できます。
設定
タイトルバー右側の「設定」から開きます。設定は左のメニューで切り替える4つのタブに分かれています(「高度な設定」タブは初期状態では表示されません。高度な設定を参照)。
一般
- 自動保存 — 変更があると自動でファイルに保存します(ファイルを開いている場合のみ)
- 思考結果の上書き前に確認する — 検討・解析の開始時に、既存の結果を上書きしてよいか確認します
- エクスプローラーの表示ファイル — 棋譜ファイルのみ / すべて
- 高度な設定を表示 — 「高度な設定」タブを表示します
- 設定を初期化 — すべての設定を初期状態に戻します(エンジンプロファイルも削除するかは選択できます)
デザイン
- 色の濃さ — 盤・駒・駒台・駒箱の色の濃さを調整
- 盤の数字を表示 — 段・筋の数字表示の切り替え
- 勝率バーを表示 — 盤の横の勝率バーの切り替え
- 矢印表示 — 検討中の候補手の矢印(表示しない / 最善手のみ / 全ての候補手)
- 駒音 — 駒を打つ音の音量(0で無音)
- アニメーション — 駒の移動アニメーションの有効・無効と長さ
思考エンジン
エンジンプロファイル(エンジンの実行ファイルとオプション設定の組み合わせ)を管理します。追加・削除・複製、ドラッグでの並べ替え、ダブルクリックでの名前変更ができます。登録の手順はセットアップガイドをご覧ください。
高度な設定
一般タブの「高度な設定を表示」を有効にすると現れるタブです。ふだんの利用では変更する必要はありません。
- ログレベル — アプリの動作ログの詳細度(Error〜Trace)
- 形勢判断の閾値 — 「有利」「優勢」「勝勢」と表示する評価値の境界(既定: 300 / 800 / 1500)
- 勝率変換 — 評価値から勝率への変換に使う定数(既定: 600)
- バグ報告用データをコピー — 不具合調査に使う情報をクリップボードにコピーします(不具合を見つけたらを参照)
よくある質問
「検討」ボタンが押せません
思考エンジンが未登録か、エンジンの起動に失敗している可能性があります。セットアップガイドの手順で登録・確認してください。また、投了などの終局局面では検討を開始できません。1手戻ってから検討してください。
棋譜はどの形式で保存されますか
ファイルへの保存は KIF 形式です。他のアプリに局面や棋譜を渡したいときは、「ファイル」メニューの「KIFをコピー」「現在局面のSFENをコピー」も使えます。
ファイル名の横の * は何ですか
保存していない変更があることを示します。保存(Ctrl+S)すると消えます。自動保存が有効でファイルを開いている場合は、変更が随時保存されるため表示されません。
盤面反転すると棋譜も変わりますか
変わりません。盤面反転は表示上の向きを入れ替えるだけで、棋譜の内容には影響しません。反転中はタイトルバーに[反転中] と表示されます。
「有利」「優勢」「勝勢」の基準は何ですか
エンジンの評価値がそれぞれの境界値(既定では 300 / 800 / 1500)以上になったときの表示です。境界値は 設定 → 高度な設定 で変更できます。
不具合を見つけたら
動かない・落ちる・表示がおかしいなどの不具合は、ご意見・不具合報告のページからお知らせください。アプリのタイトルバーの「ご意見」からも報告できます。
調査には「バグ報告用データ」(アプリの状態やログをまとめたもの)が役立ちます。アプリの 設定 → 一般 で「高度な設定を表示」を有効にし、高度な設定 → 「バグ報告用データをコピー」からコピーできます。